1人の人

遠くに見えた色鮮やかな虹が、近づけば消えていくようだった。 言葉がわたしを説明しようとしなくなっていく。 それは触れると弾けてしまう膜に覆われていくようだと思った。 見えているものは同じでも、瞳に映るフィルター越しに何かを変えてしまっている気がして、曖昧さの意味を考え直した。 今日は過去形があまり馴染まない。 覚えのある感覚が懐かしくなった。 笑うわたしは道の先にいた。 置いて行った過去のわたしは、当時のわたしと変わらず、自分を見つめることはしなかった。 解離する感覚がある。 わからないまま明日が来るのを待っている。
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