死ぬまでに見たかったひとつのこと
目の前のドアが開く。皆が私を見る。
隣には緊張でガチガチのお父さん。
ヴェールのせいか涙のせいか、視界がぼやける。
音楽が流れゆっくりと前に進んでいく。
(だいぶ時間がかかったな)
花楓のお葬式には何が何だかよく分からないまま参列した。
ニュースを見た時と変わらず頭の中でキーンと耳鳴りがしていた。
部屋着から制服に着替える時、制服がやけに冷たかった。
あまりに急な出来事で何も理解できず、席についた時は涙は流れなかった。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2023/4/30 7:13
美日向彩乃
気の向くままに詩や小説を載せています。アニメ、漫画、音楽や絵が好きです。投稿頻度めちゃくちゃです。よろしくお願いします。