俺を殺して、マイラヴ。
廃墟の中、風通しがいいなと場違いなことを考える。破片が強風に吹かれて舞う。これを人は現実逃避と呼ぶのだろう。血に濡れた顔面、霞んだ視界。足元に転がる敵味方の屍。
「あー…くそっ」
視線を落とす。コンクリートの床に額を擦り付けて、腹ン中全部吐き出して。顔面突っ込んでるそれは、血なのかゲロなのか。本当は今すぐにでも顔上げたいはずなのにな。おおよそ人とは思えない呼吸音。吸ってるのか、吐いてるのかすら分からない。隙間風のような音。
「…生きてるか?」
「カヒュ…クッ…ハァハァ……ブグォ」
辛いだろう。苦しいだろう。ただでさえ息ができないのに、穴という穴が吐瀉物で塞がれて。放っておけば、このまま死んでしまうのだろうか。きっと間違いないだろうな。
「また、生き残っちまった。」
お前と過ごした日々が、この世界に少しだけ色をくれたんだ。腹を抉られて、立つことすらままならず縮こまっている。血に濡れてベトベトになった奴の頭の前に、そっと腰を下ろした。俺と肩を並べて鬼神の如く戦った英雄にしては、随分とみっともない姿だ。
「でも…らしいっちゃらしいか。」
俺の声に呼応するように、硬く拳を握った。その拳には悔しさが滲んでいるように思えた。そうか、そうだよな。まだ、生きたいよな。大丈夫だ。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2026/6/20 3:30
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
あいびぃ
初めまして、あいびぃです!
見つけてくれてありがとう♪
私自身、生粋のアニオタ・漫画オタなのでファンタジーが多めになってます…多分。
詳しいことは「自己紹介」にて!
まだまだ若輩者なので、応援よろしくお願いします!