俺を殺して、マイラヴ。

俺を殺して、マイラヴ。
 廃墟の中、風通しがいいなと場違いなことを考える。破片が強風に吹かれて舞う。これを人は現実逃避と呼ぶのだろう。血に濡れた顔面、霞んだ視界。足元に転がる敵味方の屍。 「あー…くそっ」 視線を落とす。コンクリートの床に額を擦り付けて、腹ン中全部吐き出して。顔面突っ込んでるそれは、血なのかゲロなのか。本当は今すぐにでも顔上げたいはずなのにな。おおよそ人とは思えない呼吸音。吸ってるのか、吐いてるのかすら分からない。隙間風のような音。 「…生きてるか?」 「カヒュ…クッ…ハァハァ……ブグォ」 辛いだろう。苦しいだろう。ただでさえ息ができないのに、穴という穴が吐瀉物で塞がれて。放っておけば、このまま死んでしまうのだろうか。きっと間違いないだろうな。 「また、生き残っちまった。」 お前と過ごした日々が、この世界に少しだけ色をくれたんだ。腹を抉られて、立つことすらままならず縮こまっている。血に濡れてベトベトになった奴の頭の前に、そっと腰を下ろした。俺と肩を並べて鬼神の如く戦った英雄にしては、随分とみっともない姿だ。 「でも…らしいっちゃらしいか。」 俺の声に呼応するように、硬く拳を握った。その拳には悔しさが滲んでいるように思えた。そうか、そうだよな。まだ、生きたいよな。大丈夫だ。
あいびぃ
あいびぃ
初めまして、あいびぃです! 見つけてくれてありがとう♪ 私自身、生粋のアニオタ・漫画オタなのでファンタジーが多めになってます…多分。 詳しいことは「自己紹介」にて! まだまだ若輩者なので、応援よろしくお願いします!