鳴らした音の行く先は 6-10
第六章十話 サイレントセレナーデ
扉を開くと叶衣がいた。
待たせてごめんと心のなかで言う。
「おはよう」
そう微笑む叶衣に重かった心が少し軽くなる。
「うん。おはよう。入って」
声を絞り出した。何日かぶりに出した声は枯れ、どうしようもなく情けなかった。
俺はひどい見た目だろうし、部屋も荒れている。
でも、叶衣は何も言わなかった。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2025/6/29 8:51
傘と長靴
自分の書いた物語を誰かと共有したいと思い始めました。
拙い文章ですが、目に留めていただけると、幸いです。