ケイニー・レグリコ
「全く、カントリーミュージックというのは、どれも陽気な自然を思わせるからいけない。」
男はそう言うと、側にあるコーヒーカップに口付けて、ため息混じりにその熱い息を吐き出した。
「そうでしょうか。私は、こう、爽やかな感じが好きですが。」
女はリズムに乗るような、踊るような仕草を見せつつ言った。
「それだよ。自然とは雄大で美しく、いつでも己を宥めてくれるものだと、我々は果たしていつから錯覚していたのか。まあ、間違っているとまでは言わないがね。」
男は言葉の割には優しい顔で、肩をすくめた。女は少し考え込むようにして俯いた。男は暫く女を見つめてから、こう続ける。
「ああ、いや、カントリーというジャンルに関してはむしろ嫌ってすらいない。私は、こういう曲を聴いて、すぐに命に満ち溢れた自然と結びつける自分が嫌なのだよ。」
「はぁ…。」
「…分かってなさそうだね。」
男は、徐にスピーカーの上部、ボタンの並ぶところを撫でたが、決して曲を止めることはしなかった。カントリーミュージックの陽気な旋律が、緑溢れる温室ドームの中を依然として漂う。
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カテゴリー: ミステリー
投稿日時: 2026/9/20 7:17
最終編集日時: 2026/9/20 7:29
あいびぃ
初めまして、あいびぃです!
見つけてくれてありがとう♪
私自身、生粋のアニオタ・漫画オタなのでファンタジーが多めになってます…多分。
詳しいことは「自己紹介」にて!
まだまだ若輩者なので、応援よろしくお願いします!