赤が似合うあの子 更新3/11

赤が似合うあの子 更新3/11
 隣の席のあの子は、とても赤が似合う子だった。  あの日の放課後、忘れ物を取りに教室へ戻った時、誰もいない教室で一人静かに椅子に座って、窓の外を見ていたあの子。夕日に照らされたその白い肌がとてもきれいで、私は思わずそれに見とれてしまった。  美しさに呆けて、教室の扉のところでただただ突っ立っていた私に気が付いたあの子は、こちらに少し驚いたような表情を見せたかと思えばすぐに、微笑んでくれた。その笑顔に心が締め付けられると同時に、あの子には赤がとても似合うことを、この日初めて知った。  その後、どうやって帰ったかは覚えていない。けれど、気付いたときには家の前にいた。鍵を開けて、真っ先に自分の部屋に戻って、制服も着替えずにベッドに飛び込んだところでやっと、目的を果たせなかったことを思い出した。  その日は結局、自分で作った赤いミサンガは、学校に忘れたままだった。
R!s
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