短編 「最後の迎え」

短編 「最後の迎え」
港町の夜は、いつも海の匂いがする。 潮が濃くて、喉に水を含んだような息苦しさが残る。 残業を終えて歩く道は、街灯の下だけがぼんやり明るく、その外は海の闇と変わらない。 海沿いのバス停に、彼女はいつもいた。 肩までの黒髪、淡いピンクのコート。 袖口から覗く白い手首は細く、濡れた髪が頬に貼り付いている。 雨でも傘を差さない人だ。 「こんばんは」
虹色のシャボン玉
虹色のシャボン玉
適当に楽しくやってます!! 作品のサムネは全てAI生成によるものです