終わりの始まり

終わりの始まり
私が霞の癖を見抜いた日、ひいては私達の終わりが始まった日は土砂降りの雨が降っていた。 「雨ってのは嫌ね。ジメジメしててアンタみたいよ。」 「ジメジメしてるのも陰湿なのも全部貴方ですよ。カスミン。」 「死ね。」 「陰湿女は心が狭くてやだわー。」 「実ィ子ォー。」 霞は私を全速力で追いかける。それには私も全速力で逃げることで応じる。 この時間が毎日の中で一番輝いている。当時の私は密かにそう思っていた。 (馬鹿を揶揄っているのが楽しいからなのか?うーん。) などと私は考える。
熟考する無鉄砲
熟考する無鉄砲
地雷はなく、どのジャンルも嗜みます。よろしくお願いしまーす。