友達以上恋人以上

 彼女はあまりにも綺麗だった。 「聞いてる? ケイコ。ケイコー」 「ああ、ごめん」 「んもう」  不満そうな顔をしながら、高橋カレンはスマホを操作し始めた。塾のプリントには汚い犬らしきもの、そしてその下に相合傘を描いていた。カレンの美術の成績が二だったことを思い出し、永井ケイコは苦笑する。 「ねえ、拗ねないでよ」 「だって。ケイコ勉強ばっか集中してさあ」  長い髪の毛を指でくるくると巻き、カレンの爪は午後の光を反射していた。自分のささくれだった指、短くてずんぐりした爪を思い出してそっと机の下に手を仕舞う。ちくちくと胸が痛むのをケイコは感じた。  ケイコとカレンは幼馴染同士で、幼稚園から中学生に至るまでずっと一緒だった。ケイコは有名私立に進学し、カレンは地元の高校に通うようになった。それでも月に一度はどちらかの家で会い、近況を報告し合っている。
のこ
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