愛文
星を目指して走った。いつか辿り着くと自分に言い聞かせて、拳を空に振り上げた。
でも今は違う。
貴女を目指して走っている。
「諦めろ」
幾度も言われました。貴女を牛蛙から取り戻す事は、鬼から金棒を取り上げるよりも難しいと。
その度に思い出しました。山査子のような香りを。あなたから漂うそれは甘くて、それでもどこか辛くて。優しいくせに僕の頬に付いた泥を拭いてくれるだけなのです。
さすがにもう、光都に着いたでしょうか。その名の通り、万物が輝きを取り戻す理想の都市。
0
閲覧数: 117
文字数: 1363
カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2025/4/4 9:45
最終編集日時: 2025/4/4 20:41
ot
初めましての方、よろしければ仲良くしてくださいね