桃色の想い

ロゼリア王国の城門前。 朝露に濡れた白い石畳の上を、エレナ姫はそっと踏みしめた。淡い桃色のドレスの裾が風に揺れて花びらのように広がる。 繊細なレースが朝日を受けてきらめき、胸元の小さな真珠が淡く光った。 警備の兵士の列。その一番端に立つ青年−−カイル。 彼がこちらを見た瞬間、胸の奥が熱くなる。 「……おはようございます、姫。」 「おはよう、カイル。」
ねこわさび
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気まぐれ投稿。