メトロノーム①
明石 灯(あかし ともり)は、幼い頃からピアノやギター、木琴など様々な楽器に慣れ親しんできた。
三歳の誕生日には子供用の小さなピアノが贈られたし、ギターのコードネームも複雑な指の動きもマスターした。初心者でも扱いやすい木琴の弾き方も、様になっていた。調律の方法だってすぐに身につけた。
ストリートピアノには何人もの人が立ち止まって、彼女の演奏に惹かれていた。コンクールではいつも一位だった。
気付けば、灯は音楽好きの少女に育っていた。「楽器に囲まれて暮らしたい」と思う程に、その想いは強くなった。
若くして開花したその才能に誰もが陶酔し、好み、アンコールを求め、羨み、そして妬んだ。
次第に、彼女に向けられる眼差しのほとんどが嫉妬に変わっていった。
「お前は下手だ」
「調子に乗るなよ」
「お前に才能はない」
「上手いフリしても無駄だ」
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2023/4/3 0:48
白羽 唯
ファンタジー小説を主に制作する、小説作家志望です。
まだまだ文章が下手&Novelee初心者なので、温かい目で見てもらえると嬉しいです!
誠に申し訳ないのですが、都合により不定期投稿になります。すみません。