140文字小説+α その180 「やるせない」

 ああ、どうして俺は、こんなにダメなんだ。  忘れてはいけないと、強く思っていたのに。  目の間には、からっぽになった食器たち。そして、1つの生卵。 「卵かけご飯、食べようと思っていたのに……」  忘れて、普通に食事を完食してしまった……!  優しく生卵を手に取る。  その卵の消味期限は、今日。夕飯を食べる前に偶然発見して、慌てるようにテーブルに持って行ったのに。  仕方ない。明日にでも卵焼きにして食べよう。卵は、消味期限を少し過ぎても火を通してしまえば、問題なく食べられる。幸い、明日は仕事も休みだ。いつも朝食は、テキトーに済ましてしまう。だが、明日は卵焼きや味噌汁も付けたご機嫌な朝食としゃれこもう。  そして、翌朝。俺は、呆然としていた。
きと
きと
就労移行支援を経て、4度目の労働に従事するおじさんです。 あまり投稿は多くないかも知れませんが、よろしくお願いします。 カクヨム、エブリスタでも小説を投稿しています。