[週刊]百足の唄 9

注意:この作品には、暴力的な表現、蟲が登場する可能性があります。耐えられる人のみ読んでください。 「待たせたね」  そう言うと彼は、躊躇無く最後の蟷螂の脳髄を殻から叩き出した。赤い雫が彼の頬から流れ落ちる。相変わらず臭豆腐を香らせ数多の脚をくねらせる様子はあの日の訓練を思い出させるが、それでいて彼の瞳には何か冷え切ったものも感じる。どうやら訓練所から脱出して来たようだがそれ以外のことは分からなかった。追手はもういない。ノレスはほっと息をつくが、ベルは警戒の表情を崩さず周りを見回している。 「......」  静まり返った空気の中で、デグマがなんとか声を上げた。 「あんた......誰だ?」  当然だ。彼はベレナクスを知らないのだから。慌てて説明する。 「なるほど......しばらくはここに泊まっていくといいが......あんた、気をつけなさい。軍に見つかったら、タダじゃ済まされんじゃろうからな」
除草機1号
除草機1号
基本超短編を書きます。ストーリーは何となく決めます。新参者ですがどうかよろしくお願いします。