迷彩色の酒
「いらっしゃっせー!」
店員の活気のある声に思わず腰を反らしそうになりながら、黒山はピースサインをして「二名で」と声にした。
お二人様ですねー! こちらにどうぞー。
案内された半個室の席に座りながら、軽く周りを見渡す。
馴染みの居酒屋は、19時前なのに、すでに客の喧騒に包まれている。
顔ぶれは大体、短髪のヤローども。
年齢のばらつきはあれど、ガタイのいいやつが多く、声もバカでかい。
どことなく店内がむさ苦しく感じる。
ひと目で同業者だと分かる。なんせ駐屯地の前にある居酒屋だから、5時ピン上がりの国家公務員たちが見渡す限り店内をしめていた。
国民の血税がこうやって経済をまわしてんだなぁ……。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2025/10/19 8:22
はるきち
2025.6.30 活動停止しました。
…が、出戻ってまいりました。
お久しぶりの方も、はじめましての方も、仲良くしてくださると嬉しいですm(_ _)m