第五話 霊感
「その子、誰?」
隣の席の鈴木さんは、俺の背後に取り憑くホロ子さんを指差してそう言った。
俺はわざとらしく背後を振り返る。
「誰って、同じクラスの中山さんじゃないか」
適当に後ろにいたクラスメイトの名前を出してみる。
「違う違う。神谷くんの後ろにいる、その透けてる彼女のこと」
チラリとホロ子さんの方を見てみると、それはそれは焦った表情をしていた。
「鈴木さん、もしかして見えてる?」
「うん。『教習中』って?」
そこまで言われて、俺は諦めた。彼女は"視える"側だったのだ。
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2025/10/2 11:45
吉口一人