第3回 N1 「飛行機と少年と。」

第3回 N1 「飛行機と少年と。」
八十三歳を過ぎた夏頃のことだったと思う。 私は小高い丘の上でのんびりと座っていた。 ふんわり柔らかくて暖かい風が私の白い髪を浮かせる。 その日は本当によく晴れていて、心地が良かった。 綺麗な青空の下には一機の飛行機の姿があった。 私がその飛行機をぼんやりと見つめていたその時だった。 一人の幼い少年が私の前を「ぶーん!」と言いながら駆け抜けた。 そして飛行機に向かって嬉しそうに微笑んだ。 「少年よ、」 私がそういうと少年は満面の笑みのまま体ごと振り返る。
蒼
誰にでも認めてもらえるような小説が書けるようになりたい