鳴らした音の行く先は 5-9

鳴らした音の行く先は 5-9
第五章九話 番外編 温かさと  颯に話してほしい人がいると言われて、あの部屋に向かった。私が颯と初めてオセロをした場所。中にはもう人がいた。 「こんにちは。えっと…月島叶衣です」 「天宮時雨です。今日はよろしく」  自己紹介だけでなんとなく感じた。ああ、少し私に似ている。  だから、颯は彼と話してほしかったのだろう。 「天宮さん。今日はありがとう。私と話す気になってくれて」 「時雨でいいよ。別に叶衣が僕と話したいと思ったわけじゃないでしょ」  ああ、時雨は優しい人だ。初対面の私を気にかけてくれる。
傘と長靴
傘と長靴
 自分の書いた物語を誰かと共有したいと思い始めました。  拙い文章ですが、目に留めていただけると、幸いです。