足音

足音
 仕事帰りというのは、不思議なものだ。  慌ただしい朝は気にも留めない景色が、夜になるとまるで別世界のような顔を見せる。  最寄り駅を出たころには、空は夕焼けと夜の境目だった。商店街の雑踏を抜け、いつものように人通りの少ない、道幅の狭い裏路地へ入る。  街灯はあるにはあるが、ところどころ切れている。細い道の両側には古びたブロック塀と住宅が並び、どこかの家の夕飯の匂いだけが静かに漂っていた。  淋しい道ではあるが、家への最短ルートだ。ここを抜ければ、自宅までもうあと五分。
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カテゴリー: ホラー
投稿日時: 2026/9/30 7:33
最終編集日時: 2026/9/30 13:24
紗倉亞空生
紗倉亞空生
紗倉亞空生(さくら あくお)と申します。 ミステリとホラゲーとちょっぴりロードバイク🚴を嗜むしがない会社員です。 主にミステリとホラーを書いています。 よろしくお願いします。