不自由でいて

不自由でいて
「もしも私たちが海の底に住んでたらさ、魚が空を飛んでいるように見えるのかな。今みたいに。」 ガラス越しに魚の群れを見上げながら彼女は言う。 暗い照明のせいで表情は上手く読み取れないけど、彼女の目には綺麗な憧れが光っている。 青くて暗い光を纏う彼女は目を離したら手の届かないところへ行ってしまいそうで、怖くて僕は彼女の手をとり強く握った。 魚になんか憧れないでね、空を飛べても自由にはなれないんだから。
狛狐
狛狐
文章書く習慣つけれるように頑張ります。