alternative

「ありがとう」の代わりになる花束はない。 「ごめんなさい」の代わりになる涙はない。 花や涙の美しさを語るのは言葉や人間の情なのだから、源泉が穢れていては仕方がない。 「さようなら」の代わりになる空白はない。 「嫌い」の代わりになる刃はない。 僕らは言葉に生かされている。だからこそ字が憎いし、それでも愛おしく思ってしまう。 「愛してる」の代わりになる愛はない。
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