必殺技が出せないサラリーマンと偽者の文学少女

「何か困ってることはない?」  妹の真奈はそう尋ねる。  三つ編みが似合い分厚い眼鏡をかけ、図書室に篭ってそうな見た目は文学少女な彼女。その見た目と裏腹に中身は熱血な正義のヒーローを気取っている。  現国の成績は赤点、他の科目も赤点スレスレ、体育だけは平均点。困ってるのはむしろお前の成績についてだろうと言い返そうとしたが、そこはぐっと飲み込んだ。 「お前に助けてもらうようなことなんてないよ」
樫野
樫野
なろうで小説投稿してることが多いです こちらでは短いお話を投稿させていただくと思います Twitter: @Neokinako_kashi