明日への航跡

明日への航跡
これは、僕が曾祖母から聞かされた、古い、けれど決して色褪せることのない物語だ。 夏休み、僕は曾祖母の家で、埃を被った古い木箱を見つけた。 中には、たくさんの白黒写真と、色褪せた寄せ書きが入っていた。 写真には、笑顔の若い青年たちが写っていた。 曾祖母は、僕がその箱に興味を持ったのを見て、静かに語り始めた。「これはね、あんたが生まれるずっと前の**知覧(ちらん)**の物語だよ」(鹿児島県の地名) そして、彼女は、戦時中の食堂で「お母さん」と呼ばれていた、自身の祖母の物語を語り始めた__ 昭和二十年、春。知覧では、穏やかな空気に包まれていた。桜並木は満開で、風が吹くたびに、花びらが雪のように舞い散る。
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はじめまして😊