コールド
十六歳の冬の夜。僕は冷たい風を切り、冷えた顔に時折手をあてながら塾に向かっていたと思う。
その手には分厚い手袋がはめられていて、耳あてに覆われた耳にはイヤホンが。
マルーン5のコールドを聴きながらプラットフォームで電車を待つ僕は、この世界で一番イケていた。
僕はイントロから吸い込まれ、その瞬間世界の主人公になった。
ああ、なんて良い人生なんだ。切なくて哀愁漂う、でも輝いてる自分。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2024/9/4 6:53
最終編集日時: 2024/10/22 3:42
あや