お花見

 満開の桜の下でのお花見。広げたお弁当に、降り注ぐ桜の花びら。憧れがないと言ったら嘘になる。でも、僕にはこれで十分だ。  おじいちゃんの家にある胡蝶蘭。育て始めてからおそらく三年ほどになる。咲いて散って、その繰り返し。  花が咲いたら真っ先に電話をくれる。電話越しでもわかる笑いに溢れた声。喜びの感情がこっちにまで伝わってきて、思わず笑顔になる。  そのたびにおじいちゃんの家に足を運び、胡蝶蘭を見ておじいちゃんとお菓子を食べる。  これが僕にとってのお花見。胸を張って言えるものではないかもしれない。お花見とは言えないかもしれない。  それでも、僕がしたいお花見は、おじいちゃんの家でのお花見だ。
傘と長靴
傘と長靴
 自分の書いた物語を誰かと共有したいと思い始めました。  拙い文章ですが、目に留めていただけると、幸いです。