透き通る夕暮れの約束

 放課後の帰り道、私はいつもより少し遠回りをした。空がやわらかい桃色に染まっていて、なんとなく、その光をもっと浴びていたかったのだ。  いつもの小さな公園を抜けると、ブランコに見知らぬ男の子が座っていた。年齢は私より少し下くらいだろうか。足は地面につかず、ゆっくり前後に揺れている。  ――夕陽の光に透けて見える、変わった子だな。  そんなことを思って通り過ぎようとしたら、彼がふいに言った。 「ねぇ、お姉ちゃん。君は、明日の色を知ってる?」
三秋 うらら
三秋 うらら