透き通る夕暮れの約束
放課後の帰り道、私はいつもより少し遠回りをした。空がやわらかい桃色に染まっていて、なんとなく、その光をもっと浴びていたかったのだ。
いつもの小さな公園を抜けると、ブランコに見知らぬ男の子が座っていた。年齢は私より少し下くらいだろうか。足は地面につかず、ゆっくり前後に揺れている。
――夕陽の光に透けて見える、変わった子だな。
そんなことを思って通り過ぎようとしたら、彼がふいに言った。
「ねぇ、お姉ちゃん。君は、明日の色を知ってる?」
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2025/11/10 11:21
三秋 うらら