迷いの森-3

迷いの森-3
 紅茶の茶葉の良い匂いが漂ってきた方向を見ると、彼女が大きく足音を立てながら運んできた。 彼女は右手で荒っぽく紅茶を差し出した。席につくと、彼女はスプーンで紅茶をかき混ぜながらねぇ、と声をかけてきた。 「あたしさ、この森から出たことないの」 彼女は突如、自身の話をした。彼女は海を見たことがないらしい。大きなビルも自動車も。 だから、こうして人と話すのは新鮮な内容ばかりでとても楽しいらしい。 「ところでさ、本題に入っていいかい?」
風蓮華
風蓮華
アルファポリス、なろう、pixiv等でも書いてます。 うちの子大好きマンです、気をつけて下さい、喋らせるとうるさいです。