お題 仮面

お題 仮面
 降下した先は熱し切ったホットゾーンだった。上空から眺める戦場はまさに弾丸の雨霰。あそこに飛び込めば簡単にミンチにされてしまうに違いない。  だが、おれの直観的な恐怖とは裏腹に体が細切れにされることはなかったし鉛玉はかすりもしない。なんなら銃口を向けられることすらもなかった。  体内に埋め込まれたチップは問題無く作動しているようだ。外部とはいえ監査機関の人間を殺したとあっては企業の連中も後々困ることが多いのだ。  規約順守にとらわれている大手であるほど不祥事を気にかけるものだし。特に今撃ち合ってるようなロボットやドローンを扱っているような会社は。  そんな訳で悠々自適に、とはいえ命懸けではあるので正々堂々とはいかないが、ともかく仕事に着手することにした。頭上を、あるいは前後左右を弾丸がすり抜けていくなか目的地に向かって歩き始める。
かじか
かじか
底辺低空飛行労働者。下層階級出身なので日本語はあまり上手くありません。なにとぞよろしくです