ビー玉・上

ビー玉・上
私は身体が弱い方だった。 すぐに熱を出して、早退する事も多々あった。そんな幼少期、クラスの席替えで奇跡が起こった。キラキラした目で、明るい声、サラサラした髪の“あの子”。 私は隣になったあの子に一目惚れした。 あの子は私に持ってない物を持っていて、また私はあの子が持っていないものを持っている。私はそれが羨ましかったし、あの子に憧れがあった。小さいながらませてた私の光といってもいい。 私はあの子と沢山話して、沢山一緒に遊んで、沢山一緒に居た。あの子はすごくウザがっていたが、それでも一緒にいた。だって私にとっては初めての親友であり、初めての一目惚れだったのだから。 そこでとどまっておけばいいものの、人は時に貪欲になる。 −あの子が欲しい……。− 貪欲な幼女の私は、あの子が持っていないものを伸ばし、あの子にとって自分は平凡だと思い込ませようとした。そして、あの子の才能を知っていかに自分が平凡かを認識させられた。そして勝手にあの子を憎んで、妬んだ。随分な自分勝手だと言うことは自分が1番分かっている。 中学に上がると、あの子が持っていなくて、私が持っているものを活用できる場面ができた。それは人付き合いだ。あの子は内気で、人見知りをするが、残念ながら私は人見知りをしない。ラッキーと思った。 ………あの子が恋をした。相手は、真面目で、勤勉な男の子だった。
暁 学
暁 学
クトゥルフ神話を目指した小説、夢小説など書いたりします。気が向いたらね(((