夜眼
夜眼
①神前隆平
日本には数多の宗教や思想がある。その単位をどんどん小さくしていくと、村や町の土着信仰から迷信、都市伝説まで数えきれないほどの逸話がある。俺の住む町には「夜眼」という都市伝説がある。文字通り「夜の眼」だ。暗闇を歩いていると、突然大きな目が現れる。その目と目が合うと常に視線を感じながらすごし、最期には発狂して死ぬ、というものだ。しかも一度でも夜眼と目が合ってしまうと、暗闇を歩くたびに付き纏われ、出現している間中ずっと目を合わせていないと、内臓から溶け出し、穴という穴から内臓がとけだして死ぬ、という。暗闇といっても夜に限らず、室内であったり眠るために目を瞑っていても現れるという恐ろしいものだ。
俺の名前は神前隆平。とある田舎町に住む高校2年生だ。この町には高校はないため、隣町の公立高校に通っている。そのため、この町の子供達の多くはこの高校に通うことになる。通学は地元の仲間たちと必ず2人以上のグループで登下校することになっている。しかしグループ通学をしている理由は俺以外誰一人知らない。高校は他の地域からもやってくる。他地域の者は我々がグループで登下校していることをバカにしてくる。親に抗議するも、「決まりだから」としか教えてもらえない。
まぁ、「夜眼」を実体験した人が周囲にいなかったから真偽は不明だ。逆に実体験した人がもれなく死亡していると言うことかもしれないが…特に身体が溶け出して死んだ、などと言う報道もなかった。だから俺たちの町では、「夜眼」は名実ともに口裂け女や八尺様などと同レベルのメジャーな都市伝説となっていた。
だから俺たちの地元の仲間たちは自然と複数人で帰ることにしている。「夜眼」の予防策としてはガバガバだが、恐怖心を和らげるため、自然とこういう形になった。そのため、地元の仲間との結束は非常に固かった。
②原野咲子
わたしは原野咲子。オカルト雑誌「月刊ヌー」の記者だ。コロナ禍以降オカルト系YouTubeやホラーの界隈の需要が増え、我が社もありがたいことに業績は右肩上がりだ。
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カテゴリー: ホラー
投稿日時: 2025/9/24 13:22
こめこ🌾
ゆるゆると書いております。まだまだ稚拙な文章ゆえ、ご意見ご感想は優しめにお願いします。(泣きます)Twitterも同名で運営してますので、よろしくお願いします🙇