月を仰いで 二作
「月が綺麗ですね」
あまりにも見事な満月だったから、文豪気取りに口にしてみた。
隣の彼女はというと、ついと顔を逸らして「ひどいひと」と返してきた。
ハッキリ言わないのが日本の風情と呼ばれるものの、時には厄介なものだ。
俺は彼女に一歩近づきながら、耳元に口を寄せた。
「お前と一緒だからだよ」
タイトル:「月に嫉妬するお前がかわいい」
20240913
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文字数: 350
カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2024/9/23 0:11
最終編集日時: 2024/9/23 6:19
湯呑
読み専にて登録しましたが、作品投稿もします。
ジョージ・オーウェル氏の名著と同年の年長組。