キスツス・アルビドゥス

キスツス・アルビドゥス
僕は、やることなすこと全部「上手くできない」。  生まれた瞬間から、こういう人生だって決まっていたのかもしれない。  初めてこの世界の空気に触れた時、僕は上手く泣けなかった。  助産師たちがゆする等の行為をした上で小さく弱く泣いた。  幼稚園に入って、初めて同じ組の子に話しかけられた時、  「おなまえ、なんていうの?」  「え、えと」  ごにょごにょと言っていると相手は飽きてしまったのか  「きこえないよぉ。つまんなーい。ぼく、ほかのこのとこいくね」  「あ……」
久雅永遠
久雅永遠
ものかき。