現世の想ひ出はより深く!

現世の想ひ出はより深く!
序章 ろくでなしの秀才 この世界は単純だ。 「中村君!今回も全教科満点とは、流石だな!これなら将来も安泰だろう!」 安泰。確かに勉学で困った事は一度も無い。何故解らないのか、俺にはその方が難問だ。 「先生、もう良いですか?帰って勉強したいので。」 「あ、ああ。何処の学校に進学するのか考えておけよ?二年生なんてすぐ終わるからな。」 「はい、失礼します。」 愛想笑いを続けるのも大変だ。俺はこの世界に飽きているのだろう。いや、飽きると言うより嫌なのかもしれない。担任の細谷善はテストが終わると毎回俺を呼び出し、同じ話を繰り返す。たった今その呼び出しが終わったところだ。
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