この世界を生きる12
夢見心地なまま生活を送っていたが、ある日を境に灯里が現れなくなった。悪魔のせいだろうか、会いにいかないと、と思うのに、何故か用事が沢山あっていくことが出来なかった。
やっと暇な日ができたため、急いで灯里の高校まで行く。まだ、大事にはなってないと心に言い聞かせて足を速める。
「律!そんなに焦るな。急がば回れだ。」
港は私が焦っていることに気づき、落ち着かせようとする。
「焦らないなんて無理だよ。せっかくまた仲良くできたのに。もうなくしたくない。」
何を呑気に。と少し八つ当たりのような返事をしてしまった。こういうところだ。元からこういう性格だったのだ。天使がどうとか悪魔がどうとか、神様なんてだとか、そんなことを考えることで目を向けずに済んでいただけだ。
早く灯里のところに行かなくては。間に合わなかったなんてこと絶対にしない。今度こそ灯里を守ってみせるんだ。
灯里の高校に着くと、灯里は屋上の上にいた。
「灯里!そこで待ってて!絶対に!」
聞こえるかも分からないが叫びながら校舎の中に入る。周りの目なんてもう気にならない。港をほってきてしまったことは少し申し訳なくは思っていた。
0
閲覧数: 16
文字数: 959
カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2023/2/10 13:41
海月
物語が好きです。
サムネはノーコピーライトガール様のイラストです!