大好きだったから。

大好きだったから。
彼氏と別れた。たった4ヶ月されど4ヶ月。私にとっては大きくもあり小さくもあり幸せな4ヶ月だった。あなたの真ん丸な顔も笑う時の笑顔も、綺麗な歌声も。食べる時大きな口を開けてガバッと食べるところもあれば、綺麗に箸を使って食べるところも。涙が出るほど悔しくて、悲しくて辛くて。止まらなくて。だけど、前を向かないと生きてはいけなくて。でもどうすればいいかなんてわかるはずがなかった。 あの笑顔は私にはもう向けてくれない。だけど、どこか待ってる自分がいる。大好きな大好きな人が離れていくのを見れば、胸がキュって痛くなる。 五分後、胸がピークに達して痛い痛いって言う。張り裂けそうな重いは頑張って頑張って我慢をする。 十分後、爆発して別れたくないと連呼。子供のように駄々を捏ねて彼を困らせた。 十五分後、涙が止まらなくてどうにかして引き止めたくて、怖くなって手が震える。明日がとても怖くなる。 二十分経てば、もうそこに彼はいない。愛してくれる彼はいない。フリフリのワンピースを靡かせて彼を探すが、面影も見つからない。 入念に立てた、旅行の計画は全部が水に流される。クリスマスはもう目の前なのに、バレンタインも誕生日も、一緒にすごせなかった。 問題は私にあるのは知っていた。馬鹿みたいに重たい感情が彼を押し潰していた。大好きな彼はもうそこにはいない。ギュッと目をつぶれば、思い出と共に涙が流れる。サヨウナラなんて言わないで、いつも通り愛してるって言って欲しい。でも前に進まなくては、行けなかった。 大好きな大好きな彼へ。 今までごめんねと、最大限の愛してるをあなたに
田中
田中
心に残る小説を。