勇者
僕は何も知らなかった。世界にカースト制度があることも、親によって殺される子供がいることも、そう何も‥だ。
今と違いやつが、魔王がいた頃はもう少しまともだった。例え身分が低くても戦で功を上げれば貴族になれたし、何よりもそういった人がかなりいたおかげでカースト制度はほとんど存在しないも同然だった。だが平和になってみればどうだろう。
先の戦で功を上げた貴族達は身分を鼻にかけ民達を見下している。
子供も先の戦では大事な宝として重宝されたが今はその限りではない。
間違っていたのは僕なのだろうか。
そう考えると。
魔王の最後の言葉が思い出される。
「貴様でもないのか勇者よ‥」
僕にある力は世界を救うためのものなのだと改めて実感する。覚悟を決めた頃には光輝いていた聖剣の色は純然たる漆黒の見るも恐ろしい、禍々しい色と成り果てた。僕は、いや我は王城に行く。
これから世界を支配するのだ。
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2025/4/16 10:07
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
てまきまき
はじめまして