雪と春

初めはいけ好かない奴だった。紹介も素っ気なくてまるでこっちを品定めしてるようなそんな目が印象的で大人しそうで冷たそうな女だった。 「きよあき〜あの転入生、どう思う?」 昼休み。話しかけてきたのは隣の席の祐介(ゆうすけ)。誰とでも男女関わらず話す明るいのが俺の祐介への印象だ。転入生が来たとなれば真っ先に声をかけて一緒に飯でも食おうぜ!と誘うのがいつもの流れだった。そんな祐介がこんな探るようなことを言うなんて俺の感覚はやっぱりおかしくなかったらしい。 「話してもないしなんとも言えないけど……俺はあんまり合わないかもな」 「俺も。なんか直感的に無理だったわ。なんか、怖ぇ」 「それ。なんて言うんだろう。……冷たい?みたいな」 陰口のようで褒められたものじゃないが、そんな話をしながら祐介と昼飯を食った。冷えた飯は固く、喉に詰まらせた。胸の当たりを叩き、急いでお茶を飲む。ふぅ……何とか窒息せずに済んだ。顔を上げた時違和感がいた。オーロラのような人影が目の前をよぎった。その前には転入生。そういうことか。 「おーい。大丈夫かー?喉詰まらせて酸素回ってないのかー?」 「ごめん祐介。ちょっとトイレ」 「お、おう。行ってらっしゃい」
まつり