フレイル=サモン〈CV〉
サウラ国領土〈ジェノバ中央都市・ジェノバ王宮「連絡橋」〉
食事塔内部の猛暑と寒波を再度越え、朝の冷えた空気が満ちた外に出る。直前まで1階の茹だる熱気に苛まれていたので、この肌寒さは逆に心地が良かった。
「さて。じゃあさっき話した通りで」
フレイルは後方の二人を回れ右で振り返った。“さっき話した通り”とは、居住塔を降りている最中に交わしたやりとりの事である。
「ワシはシノの行き迎えと、生活用品の買い物やったな」
ラノスは自信満々に頷いた。白毛の覆う手の平には、一枚の金貨が大切に握られている。
「シノは師匠のとこ〜」
天窓から射す日の一閃が、彼女の装飾品である[流銀の加護]にチラチラと反射する。フレイルは思い出したように忠告した。
「気をつけてね。王宮とハーブの家はだいぶ離れてるからさ」
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2025/3/23 4:33
最終編集日時: 2025/3/24 3:26
クリオネ
※注釈※
時折り過去話に手を加える事があります
(大きく変えた場合は報告します)
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途切れている場合があります。