フレイル=サモン〈CV〉

フレイル=サモン〈CV〉
サウラ国領土〈ジェノバ中央都市・ジェノバ王宮「連絡橋」〉  食事塔内部の猛暑と寒波を再度越え、朝の冷えた空気が満ちた外に出る。直前まで1階の茹だる熱気に苛まれていたので、この肌寒さは逆に心地が良かった。 「さて。じゃあさっき話した通りで」 フレイルは後方の二人を回れ右で振り返った。“さっき話した通り”とは、居住塔を降りている最中に交わしたやりとりの事である。 「ワシはシノの行き迎えと、生活用品の買い物やったな」 ラノスは自信満々に頷いた。白毛の覆う手の平には、一枚の金貨が大切に握られている。 「シノは師匠のとこ〜」 天窓から射す日の一閃が、彼女の装飾品である[流銀の加護]にチラチラと反射する。フレイルは思い出したように忠告した。 「気をつけてね。王宮とハーブの家はだいぶ離れてるからさ」
クリオネ
クリオネ
※注釈※ 時折り過去話に手を加える事があります (大きく変えた場合は報告します) 定期的なご確認をお願いします。 novelee様の不具合か、 長い文章の一部が 途切れている場合があります。