20回の約束

20回の約束
「…やっと20回怒られ終わったか。」 どういう意図で私に話しかけたのか、どういう意図でその言葉を発したのか。どんなに考えてもわからなかった。 ただ、彼はいとも簡単に私を10年前に引き戻した。 誰もいない夕方のバス停。今日のバスはもうない。近くの海が波を立て、森の蝉が音を上げる。ぽかんとその場に立ち尽くす私を見て、彼は焦った様に顔を引き攣らせた。 「もしかして俺の名前忘れた?」 「……けんちゃん、?」 「なんだよ覚えてんのかよ」
 羽生.
羽生.
ハブと読みます。