第六章 エリーニュエス

第六章 エリーニュエス
ある高架下で死にかけてる男がいた。彼の名前は橋爪悠馬。七年前同じ高校に通っていた女子生徒を殺害したとして逮捕され、二日前に釈放された。しかし保護場所である叔母の家には行かず、高架下で横になっている。 「………沙…記…」 最後の力を振り絞って愛しく想う人物の名を口にした。そしてゆっくりと目を瞑った… 「あーあ…それで死んじまっていいわけ?」 女の声が聞こえた。一時間ほど前に確かに一人の女が自分に声をかけたが明らかにそれとは別人だ。 「おーい!聞いてんのかよ?」
monte cristo
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