遠く、透く、君を見つけた。

遠く、透く、君を見つけた。
 夜隅で月を待っていた。  遠く、透く、君を見つけた。幽霊と見紛うほどに凛とした姿。  ノートにその風景を描いた。  ただ、君だけを描いていた。  夜を泳ぐような君を見失う前に。  不意に君は此方を見て、僕に向けたのは月明かりに照らされたような微笑み。  それからは、決まって記憶の片隅に溶けてしまうんだ。
夜ヶ咲
夜ヶ咲
ファインダーの向こう側、ずっと君を探している。/140字小説とその下書き https://mobile.twitter.com/yorugasaki