日常の覗き穴
−−−カン、カン、カン−−−
階段を登る音が、やけに大きく聞こえる。
空気が水分を否定しているように暑く、重い。
夏。まだ7月の中頃だ。
家賃1万3000円の安アパートは蛍光灯もろくに変えていない。
外の明るさが嘘みたいに暗い廊下を、死に体で歩く。
ドアの軋んだ音に反応して、部屋の熱気がぐるぐると回りだす。
………暑いな…。
冷房なんて気が利いたものとは縁遠いこの部屋が、今の自分には
お似合いなのだろう。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2022/10/4 19:44
オミちゃん
文章好きのオミちゃんです。
ニワトリです。
どうぞ、よろしくです。