夕暮れと飲み物と推しと私 その6「プリンタニア・ニッポン」

『プリンタニア・ニッポン/迷子』  生き物が好きな子供だった。テレビでやっていた動物番組が毎週楽しみで、食い入るように見ていた。その番組の図鑑が抽選で何名かに配られることになった時も、もちろん応募した。残念ながら、その抽選は外れてしまったけれど。  実家に何故か置いてあったハードカバーのファーブル昆虫記も、親に念のため確認を取ってから、読みだした。深く掘り下げられていく、生き物の知らない世界に強く魅せられたのを覚えている。  母親の友人の家へ遊びに行った際には、その家の子供と一緒に遊ぶ兄を横目に、その家の飼い犬とずっと遊んでいた。ミニチュアダックスフンドで、私が撫でまわしても嫌そうにしなかった。単に私が嫌がる仕草に気づいていなかっただけかも知れないが。その記憶もあり、私は犬を飼いたくなった。  現在も犬を飼いたいという欲求はある。しかし、子供の頃の血液検査で、動物にアレルギーがあり、ほこりにもアレルギーがあることも判明した。かくして、私の犬を飼うという夢は、あえなくついえたのである。 『プリンタニア・ニッポン』は、奇妙な生き物プリンタニア・ニッポンと生活するSF(少し不思議な)日常譚だ。モチモチで愛くるしいプリンタニア・ニッポンとの生活。毛が舞ったりしないだろうし、私でも飼えそうだ。しかしながら、モチモチな生物に対して、舞台となる近未来の世界は、どこか不穏な気配もする。生き物モチモチ、世界観ガチガチ。このコントラストを好きな飲み物と共に楽しんで欲しい。SF(少し不思議)な世界観は、何だかくせになってくるだろう。
きと
きと
就労移行支援を経て、4度目の労働に従事するおじさんです。 あまり投稿は多くないかも知れませんが、よろしくお願いします。 カクヨム、エブリスタでも小説を投稿しています。