ドール

毎日、ヒトは生きるために仕事する。今の私もその一人だ。私は村の外れで薬屋を営んでいる。毎朝、森に薬草を取りに行っては薬を作り尋ねてきた顔見知りの村人に売る。いつもは見知った村人しか来ないのに今日は珍しいお客さんが来た。その人は綺麗な服装をした男だった。なんでここに来たのか?気になって声をかけた。 「あの…どうされましたか?」 するとその人は 「欲しい薬があるんです…」 と申し訳なさそうに紙を渡してきた。確認してみると私が過去に1度作った薬だった。 「なんでこの薬が必要なんですか?」 その質問にその人は 「私はB。訳あってある人にその薬を届けたいんです。」 この薬をわざわざ渡す?そんなおかしい話はあるわけが無い。語尾を強めて聞く。 「なぜ?この薬は作りたくない。記憶を消す薬を渡す⁉︎おかしな事言わないで。」
星咲
星咲
小説が好き