可哀想に

「可哀想に」 尾崎くんは、僕にしばしばこの言葉を浴びせる。 「可哀想に。そのままじゃはっきり見えないなんて。眼鏡とかコンタクトとか、大変だよなぁ。毎日毎日不便そう。俺は視力1.2あるから良かったわぁ。」 そうかそうか、君には世界がさぞかしクリアに見えるんだろうね。それはよろしゅうございました。 「可哀想に。そのままじゃはっきり聞こえないなんて。補聴器なんて、邪魔くさそうだなぁ。俺は普通の耳で良かったわぁ。」 そうかそうか、君には世界がさぞかし音で溢れてるんだろうね。それはよろしゅうございました。 でも、それっていい事なの?確かに、便利かもしれない。確かに、目も、耳も、正常な程、機能が良い程、いいかもな。 「うわっ、虫やばっ。」 「え、今あそこで何か動かなかった?…なんだ、ただの染みか。」 「あいつら、今ぜってぇ俺の悪口言ってる。俺の名前と悪口が聞こえてくるんだ。くそぉ。」
みむる。
みむる。
初めてばかりです。そこら辺の猫好きの理系大学生です。片想い系が多いかな。よろしくお願いします。コメントや反応頂けると飛び跳ねます!