2.少年の独り言

2.少年の独り言
「ねえ月、お願いだから僕も連れて行ってよ」  僕はもうこんな所にはいたくないんだ。消えてしまいたい。溶けてしまいたい。真っ赤に燃える朝焼けに、夕焼けに、焼かれてしまいたいんだ。    いくら泣き叫んだって、ランタンの中の月はもう答えてはくれなかった。 ———  少年の涙の最後の一滴が夜明けの空に消えていく。  悪夢は終わったのだ。月へ帰って行ったのだ。
.sei(セイ)
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