2.少年の独り言
「ねえ月、お願いだから僕も連れて行ってよ」
僕はもうこんな所にはいたくないんだ。消えてしまいたい。溶けてしまいたい。真っ赤に燃える朝焼けに、夕焼けに、焼かれてしまいたいんだ。
いくら泣き叫んだって、ランタンの中の月はもう答えてはくれなかった。
———
少年の涙の最後の一滴が夜明けの空に消えていく。
悪夢は終わったのだ。月へ帰って行ったのだ。
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2022/3/28 8:30
.sei(セイ)
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