第41話「嫉妬の化身」

 クルドが“最南の魔女”の元へ向かってから一週間が過ぎた。  相変わらず、私は寂しさを埋め合わせるように淡々と日々を過ごしている。 「王妃様。湯船の準備が整いました」  部屋で仕事を片付けていると、使用人長のルルカがノックして入ってきた。 「もうそんな時間……ありがとう。すぐに入る」 「いえ。それでは」  両の手首に鎖をぶら下げ、聖国城の使用人が着ることを定められる奉公服を身に纏っている彼女。その漆黒の髪と虚無を見つめる黄色の瞳は、昔の私のそれである。  私はクルドがいない寂しさを忘れるために、浴槽で自分の体を清めた。  そして時は過ぎ、夜が訪れる。  再び、部屋がノックされた。
U2
U2
U2と申す物です。前に「U」というペンネームで活動していました。色々あって新たに「U2」として再始動することになりました! というわけで、これからもどうぞ、宜しくお願いします!