金メダル
「ヒューヒュー。」
的に弓を向ける。
息が震える。ここはブエノスアイレス。アルゼンチンの夏はかなり暑い。むせかえるような炎天下だ。
観客の声援。まるで時間が止まったように長い。長い。ここで真ん中を決めなくてはいけない。
汗が頬を伝う感触がする。
限界まで張った弓を抑え矢を持つ手は震える。
集中だ。やるしかない。的を見つめる。
矢を放つ。
私が矢を放った時頭に浮かんだのは母のことだった。母は私の姿を見れずに死んでしまった。
天国にいる母はどう思っているのだろうか。
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カテゴリー: 日記・エッセー
投稿日時: 2025/4/17 9:40
てまきまき
はじめまして