第四章 「比例する距離」

第四章 「比例する距離」
その後私は恋愛せず、受験勉強に打ち込んだ。私はあまり頭が良くなかった。しかしどうしても行きたい高校があったのだ。朝起きたら朝ごはんを食べる前に勉強。通学中は勉強。休み時間は勉強。下校中は勉強。勉強、勉強、勉強。その結果偏差値を8上げて、私は志望校に合格した。 それから数日して、私はある男の子に告白された。志望校に向かって努力する姿がかっこいいと、その男の子、隆太は言った。隆太は優しい性格の持ち主で、私は上から目線にもそこそこイケメンだと思っていた。合格したテンションの高さも相まって、私はOKした。お互いの高校は違ったし、私は引き続き吹奏楽をやると決めていて、忙しくなることが分かっていた。だから春休みは2人で映画館に行ったり、いろんなことをした。 高校に入学して、思っていた通り忙しかった。母にも言ったが、そのうち慣れる、としか言ってくれなかった。でも隆太は何時間でも相談に乗ってくれたし、電話もしてくれた。私は心から隆太を愛した。 付き合ってから3ヶ月、私はある異変を感じた。 「隆太からもう3週間も連絡が来ない。」 前は毎日連絡していたのに、全く来なくなった。私から連絡しなのが悪いんじゃないか。いや違う。隆太はテスト期間、勉強に集中するため連絡しないで欲しいと言っていた。だから連絡しなかった。テストが終わったら隆太から連絡すると言っていた。でもさすがに3週間は長すぎる。生きているのかも分からなくて、単純に心配だった。そして私は、隆太と同じ高校に通う彩花に電話し、彩花が話す前にその旨を説明した。 「ごめん。」 彩花の第一声はこれだった。 「なんで謝るん、どした。」 「私、隆太と付き合ってるの。」
ピルビン酸
ピルビン酸
女子高生です。 実体験を交えて恋愛小説を書けたらと思っています。 温かい目で見てくれると嬉しいです。