猫のなみだ
朝、目が覚めた時、布団がいつもよりも冷たかった。這い出た先、窓から差し込む陽に暖まる主人の顔を見れば、それは寝ぼけ頭にもすぐに分かった。
「しんだか?」
私は寝ている人に寝たか?と聞くような、そんな間抜けな質問をした。ある日から寝たきりになり、薄れていく曖昧な反応に死期は悟っていたので、衝撃的なことは無かった。
すーっと息を深く吸すって、大声でないてみた。
ないても涙は零れない。
ゴロゴロと喉を鳴らして頬にすり寄れば、まだ体の深部に暖かさが残っている気がした。一人と一匹眠りにつく前のちょっとした時間が、私の頬を撫でたあの暖かさが、変に歪んで、懐かしく感じた。
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カテゴリー: お題
投稿日時: 2022/4/23 20:07
最終編集日時: 2022/4/23 21:15
エズエシ
糞ガキを野球のバットでぶっ叩け